社会人の学びの方法

みなさんは、社会人になってから、どんなことから学びを得ているでしょうか?
一般的に、社会人が業務にあたり必要な知識を身につけるのは、仕事経験から7割、上司・先輩からの指導が2割、研修・読書から1割と言われています。

OJT 以外への投資額

経済産業省による「持続的な企業価値の向上と人材資本に関する研究会」の報告書によると、日本における人材投資のうちOJT以外への投資の割合は、次のグラフのようになっています。

「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書人材版伊藤レポート」を元に作成

これをみると、日本においては、他国に比べてOJT以外の人材投資があまり積極的には行われていないことが窺えます。
このように、研修に費やす費用や時間が少ないのが現状といえます。

コンプライアンス研修

では、コンプライアンスについての知識は、仕事の経験や上司・先輩からの指導だけで大丈夫なのでしょうか?

組織におけるコンプライアンス違反といった場合、そもそも経験から学ぶということが難しいのは想定できるかと思います。
特に、組織的に不正を行うような場合となると、仕事上の経験や上司・先輩からの指導だけでコンプライアンス上の問題はない、ということにはなりません。

コンプライアンスとは、企業に対する社会的要請の中核である

そもそも、コンプライアンスとはどういうことでしょうか?
この部分では、コンプライアンスについて少し掘り下げてご紹介しますので、興味がある方はご覧ください。

谷本寛治教授(早稲田大学商学学術院商学部)は、企業のCSR活動を次のように分類しています。

ここでいうCSRは、 Corporate Social Responsibility の略であり、企業の社会的責任と訳されます。
CSRといわれると、地域の清掃活動といった社会貢献活動を想定されることが多いかと思いますが、それに限られるものではありません。経営活動のあり方そのものや、社会的事業という内容も含まれます。
なぜこのような内容が含まれるのかというと、そもそも、企業のCSRの背景には、権力・責任均衡論という議論がありました。
権力・責任均衡論とは、企業は様々な権力を保有していることから、その権力の行使に伴う社会的責任が生じるのであり、仮にその社会的責任を果たさないのであれば、その権力を保有する正当化根拠を失うというものです。
つまり、CSRは、企業に対する社会的要請を意味するのであり、企業がこの社会的に応えることが企業のCSR活動ということになります。
そして、企業が法律を遵守するのは、企業に対する社会的要請の基礎的な部分にあたることになります。

法律を守っていれば、コンプライアンスとして問題はない?

このように考えてくると、企業は法律に定められたことだけを守っていればよい訳ではないことがお分かり頂けるかと思います。
つまり、現代社会におけるコンプライアンスとは、単なる法令遵守だけではなく、企業に対する社会的要請に応えるということを意味することになるのです。

コンプライアンス研修

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