今日では、デジタルプラットフォームを通して就労するギグワーカーといわれる働き方にみられるように、多様な働き方が拡大しています。
そして、雇われない働き方をしている人が約188万人、法人の経営者、個人営業主で店主ではない人が202万人であり、この合計390万人のうち、発注者から業務・作業の依頼(委託)を受けて仕事を行う人が約228万人といわれています(厚生労働省・雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会・第9回資料)。

このような現状を踏まえて、2021年3月に「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」が策定されました。
このガイドラインでは、フリーランスとは、実店舗がなく、雇人もいない自営業者や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者を指す、としています。
そして、独占禁止法、下請法、労働契約の規制について、以下のように整理しています。

① 事業者とフリーランス全般との間には、独占禁止法が適用される。
② 下請法の規定に該当する発注者(資本金1000万円以上)とフリーランス全般との間には、下請法が適用される。
③  フリーランスとして業務を行っていても、実質的に発注事業者の指揮命令を受けて仕事に従事していると判断される場合など、現行法上「雇用」に該当する場合には、労働関係法令が適用される。
④ 発注事業者が、発注時の取引条件を明確にする書面をフリーランスに交付しない行為は、独占禁止法上不適切であり、下請法の義務違反となる。
⑤ 独占禁止法が規制する優越的地位の濫用に該当する行為類型(報酬の支払遅延、報酬の減額、著しく低い報酬の一方的な決定、やり直しの要請、一方的な発注取消し、役務の成果物に係る権利の一方的な取扱い、役務の成果物の受領拒否、役務の成果物の返品、不要な商品又は役務の購入・利用強制、不当な経済上の利益の提供要請、その他取引条件の一方的な設定・変更・実施)の明確化

そのうえで、今回、フリーランスを対象としたフリーランス新法が制定されました。
正式な法律の名称は、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)であり、2023年4月28に可決成立し、同年5月12日に公布されました。
そこで、この法律の内容についてご紹介します。